【会期】2026年3月7日(土)〜15日(日)
【時間】13:00~19:00
3月7日(土)
18:00〜19:00 アーティストトーク
19:00〜21:00 オープニングパーティー
【会期】2026年3月7日(土)〜15日(日)
【時間】13:00~19:00
3月7日(土)
18:00〜19:00 アーティストトーク
19:00〜21:00 オープニングパーティー
「タイトル、どうする?」
打ち合わせで何気なく出たこの問いは、二人の作家が共有する「日常や当たり前を端から疑う」という姿勢を象徴しています。
本展は、様々な手法で表現するアーティスト、鈴木淳と遠藤梨夏による映像インスタレーションの二人展です。
鈴木淳は、90年代より一貫して「日常を異化させる」鋭い批評性を持ち続けてきました。見慣れた景色に潜む違和感を掬い取り、私たちが無意識に信じている「正しさ」を軽やかに疑う彼の視線は、私たちの凝り固まった認識を攪拌し、世界の別様を提示します。
対する遠藤梨夏は、映像が映し出す「仕組み」とその背景にある「社会的なコード」を解体します。ネット上で消費される演出や、無意識に受け入れているジェンダーの境界線。機材や装置を空間に露呈させる彼女の表現は、そうした「当たり前」として維持される慣習への物理的な介入です。イメージの裏側にある生々しさを突きつけることで、私たちの受動的な知覚を揺さぶります。
両者に通底するのは、当たり前だと思われている風景や仕組みを別の角度から提示し、来場者の「自動化された知覚」を強制解除(ハック)させる意志です。
この実験的な空間に身を置くとき、インスタントな消費や常識に慣らされた感覚はハックされ、あなたは単に「アートを理解しに来た客」から、日常に潜む「知覚のバグを探し当ててしまう目撃者」へと変容してしまうはずです。
二人のアーティストが世代を超え、互いに反応し合うこの機会を、ぜひご高覧いただけますと幸いです。
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鈴木淳
1962 北九州市生まれ
1987 熊本大学理学部生物学科卒業
1994・95 CASKサマースクール参加
主な個展
2012「なにもない、ということもない」 /福岡市美術館(福岡)
2019「とわすかたり」 /九州大学総合研究博物館(福岡)
2022「ART FAIR EARTH」/art space tetra(福岡)
2022「Innocent Play or Play lnnocent 」 /イソップ旧福岡店舗(福岡)
2024「On the Bed 2024-1」/Artist Cafe Fukuoka コミュニティスペース・ヘアーサロンアマミズ(福岡)
2025「On the Bed ,etc.」/art space tetra(福岡)
主なグループ展
2012「パリに笑壺を運ぶ」 /パリ日本文化会館(パリ)
2013「福岡現代美術クロニクル1970−2000」/福岡県立美術館・福岡市美術館(福岡)
2017「誉のくまもと展」/熊本市現代美術館(熊本)
2020「発生の場」/佐賀大学美術館(佐賀)
2020「Busan:Point of View」/F1963(釜山)
2021「VACUUM 空色(からいろ)の部屋」/Operation Table(北九州)
2023「休日のプラットフォーム・休養と回復」/BankART KAIKO(横浜)
2023「ART FAIR EARTH 2023」/art space tetra(福岡)
2023「糸島芸農2023共同体/共異体」糸島市松末地区(福岡県糸島)
2024「ART FAIR EARTH 2024」/art space tetra(福岡)
受賞歴
第34回(2011年度)キャノン写真新世紀 佳作(東京都写真美術館)
第24回(2015年度)英展 大賞(田川市美術館)
第2回(2022年度)Fukuoka Wall Art Project 優秀賞
パブリックコレクション
北九州市立美術館、福岡市美術館、熊本市現代美術館
私は1995年より現代美術としての作家活動を開始し、表現方法にとらわれない多種多様な創作活動を展開してきました。
ビルの監視カメラに自身の写真を貼り付けた「監視写真」(1999年)、混雑する通路に一本の白線を引くことで瞬時に人の流れを左右に分断した「ホワイトライン」(1996年)など、場の見え方・考え方、人との関係性をずらしていく行為のこれらは、我々が知らず知らずのうちに身体・感覚・記憶に刷り込まれている都市の機能やシステムを揺らしていく試みでもありました。
また、鈴木淳展「こんなトコで、あんなコト」(福岡県立美術館 2001年)などでは、複数のコンセプトによる複数のプロジェクトをバラバラに展開していきました。秩序をもつ以前の多様性そのものの状態、言葉や概念で説明できる統一した世界観を持たない状態、そういうありのままの状態の中から、切実なものを紡ぎだし共感を生み出していく試みでもありました。
2000年12月より制作を開始していた1000を越える数のビデオ映像作品は、いずれも簡素な編集作業を施した断片的な日常風景を写し取ったもので、一つ一つは別々のコンセプトが存在する独立した作品ともいえますが、と同時に、いずれの作品も時空間にさざ波を立て、多層な解釈を導きだすものであり、私達と日常との関係性を再構築する試みともいえます。映像作品の全体のタイトル「だけなんなん/so what?」(北九州弁で「だから、どうしたの?」という意味)とは、「私達」と「世界」とを行き来する、答えを必要としない永遠の問いかけでもある訳です。
遠藤 梨夏
1998 福岡県生まれ
2023 佐賀大学芸術地域デザイン学部卒業
2026 佐賀大学大学院地域デザイン研究科修了(予定)
個展
2025 「いない いない ...」 IAF SHOP* (福岡)
2024 「寝て起きてくつずれ」 Gallery NOMA + (佐賀)
2024「けだるいオードブル」 Artist Cafe Fukuoka (福岡) 2023 「おままごとのストレッチ」 IAF SHOP*(福岡)
2022 「にどあることは、さんどあった。」IAF SHOP*(福岡)
主なグループ展
2026 「地続きな生活」佐賀県佐賀市兵庫町渕にある田んぼ(佐賀)
2024 「ロング・スロー・ディスタンス」 旧枝梅酒造 / Gallery NOMA(佐賀)
2023 「CAF賞2023入選作品展覧会」代官山ヒルサイドフォーラム(東京)
2023「サイトのピープルがプールサイドでショート・ショートを着用していたら、 ポ団地の住人がオムニバスに乗って通り過ぎた。」 NIGOKAN GALLERY(佐賀)
2023「ニュー・ニューウェーブ・フクオカ」 八番館(黄金町エリアマネジメントセンター)(神奈川)
2022 「居場所について」OVERGROUND(福岡)
2022「ツー・バウンスのワンバウンドめ」ツー・バウンス(佐賀)
アーティスト・イン・レジデンス
2025 「中土佐-現代美術プログラム2025」(高知)
2025「重庆 · 瑞器 国际艺术家工作坊」器·Haus 空间 (中国・重慶)
2024 「福島県葛尾村学生AIRプログラム」(福島)
2024「BEPPU STUDIO 01滞在制作プログラム」(大分)
受賞歴
CAF賞2023 優秀賞
やまなしメディア芸術アワード2024-25 入選
制度や常識、決まり事といった「当たり前」の中に生じる隙間を、日常の観察から見出す。日常生 活の中で意図せずそうなってしまった状態や、微細なズレを拾い上げる。日常を日常のまま少しだけずらす方法を制作の軸とし、生活に残る小さな痕跡を手がかりとする。私にとってこの視点は、 二元論の境界線上に漂い、汽水域を彷徨うような感覚である。
生活に残る小さな痕跡は、そこに誰かがいたことを示す。それらを手がかりに、不在の存在、つまり消えていく出来事や状況に残る気配をたどる。ワンルームと公園の砂場を往復するような感覚で 日々生活している。
私は「当たり前」だとされている事象に正面から対立するのではなく、日常を日常として保ったまま、角度をほんの少しだけ変えることで静かな抵抗を試みる。いわば「日常かつ日常’」の状態をつくり、てこの原理のように小さな力でものの見方を少しだけズラしていく。
「タイトル、どうする?」
打ち合わせで何気なく出たこの問いは、二人の作家が共有する「日常や当たり前を端から疑う」という姿勢を象徴しています。
本展は、様々な手法で表現するアーティスト、鈴木淳と遠藤梨夏による映像インスタレーションの二人展です。
鈴木淳は、90年代より一貫して「日常を異化させる」鋭い批評性を持ち続けてきました。見慣れた景色に潜む違和感を掬い取り、私たちが無意識に信じている「正しさ」を軽やかに疑う彼の視線は、私たちの凝り固まった認識を攪拌し、世界の別様を提示します。
対する遠藤梨夏は、映像が映し出す「仕組み」とその背景にある「社会的なコード」を解体します。ネット上で消費される演出や、無意識に受け入れているジェンダーの境界線。機材や装置を空間に露呈させる彼女の表現は、そうした「当たり前」として維持される慣習への物理的な介入です。イメージの裏側にある生々しさを突きつけることで、私たちの受動的な知覚を揺さぶります。
両者に通底するのは、当たり前だと思われている風景や仕組みを別の角度から提示し、来場者の「自動化された知覚」を強制解除(ハック)させる意志です。
この実験的な空間に身を置くとき、インスタントな消費や常識に慣らされた感覚はハックされ、あなたは単に「アートを理解しに来た客」から、日常に潜む「知覚のバグを探し当ててしまう目撃者」へと変容してしまうはずです。
二人のアーティストが世代を超え、互いに反応し合うこの機会を、ぜひご高覧いただけますと幸いです。
![]()
鈴木淳
1962 北九州市生まれ
1987 熊本大学理学部生物学科卒業
1994・95 CASKサマースクール参加
主な個展
2012「なにもない、ということもない」 /福岡市美術館(福岡)
2019「とわすかたり」 /九州大学総合研究博物館(福岡)
2022「ART FAIR EARTH」/art space tetra(福岡)
2022「Innocent Play or Play lnnocent 」 /イソップ旧福岡店舗(福岡)
2024「On the Bed 2024-1」/Artist Cafe Fukuoka コミュニティスペース・ヘアーサロンアマミズ(福岡)
2025「On the Bed ,etc.」/art space tetra(福岡)
主なグループ展
2012「パリに笑壺を運ぶ」 /パリ日本文化会館(パリ)
2013「福岡現代美術クロニクル1970−2000」/福岡県立美術館・福岡市美術館(福岡)
2017「誉のくまもと展」/熊本市現代美術館(熊本)
2020「発生の場」/佐賀大学美術館(佐賀)
2020「Busan:Point of View」/F1963(釜山)
2021「VACUUM 空色(からいろ)の部屋」/Operation Table(北九州)
2023「休日のプラットフォーム・休養と回復」/BankART KAIKO(横浜)
2023「ART FAIR EARTH 2023」/art space tetra(福岡)
2023「糸島芸農2023共同体/共異体」糸島市松末地区(福岡県糸島)
2024「ART FAIR EARTH 2024」/art space tetra(福岡)
受賞歴
第34回(2011年度)キャノン写真新世紀 佳作(東京都写真美術館)
第24回(2015年度)英展 大賞(田川市美術館)
第2回(2022年度)Fukuoka Wall Art Project 優秀賞
パブリックコレクション
北九州市立美術館、福岡市美術館、熊本市現代美術館
私は1995年より現代美術としての作家活動を開始し、表現方法にとらわれない多種多様な創作活動を展開してきました。
ビルの監視カメラに自身の写真を貼り付けた「監視写真」(1999年)、混雑する通路に一本の白線を引くことで瞬時に人の流れを左右に分断した「ホワイトライン」(1996年)など、場の見え方・考え方、人との関係性をずらしていく行為のこれらは、我々が知らず知らずのうちに身体・感覚・記憶に刷り込まれている都市の機能やシステムを揺らしていく試みでもありました。
また、鈴木淳展「こんなトコで、あんなコト」(福岡県立美術館 2001年)などでは、複数のコンセプトによる複数のプロジェクトをバラバラに展開していきました。秩序をもつ以前の多様性そのものの状態、言葉や概念で説明できる統一した世界観を持たない状態、そういうありのままの状態の中から、切実なものを紡ぎだし共感を生み出していく試みでもありました。
2000年12月より制作を開始していた1000を越える数のビデオ映像作品は、いずれも簡素な編集作業を施した断片的な日常風景を写し取ったもので、一つ一つは別々のコンセプトが存在する独立した作品ともいえますが、と同時に、いずれの作品も時空間にさざ波を立て、多層な解釈を導きだすものであり、私達と日常との関係性を再構築する試みともいえます。映像作品の全体のタイトル「だけなんなん/so what?」(北九州弁で「だから、どうしたの?」という意味)とは、「私達」と「世界」とを行き来する、答えを必要としない永遠の問いかけでもある訳です。
遠藤 梨夏
1998 福岡県生まれ
2023 佐賀大学芸術地域デザイン学部卒業
2026 佐賀大学大学院地域デザイン研究科修了(予定)
個展
2025 「いない いない ...」 IAF SHOP* (福岡)
2024 「寝て起きてくつずれ」 Gallery NOMA + (佐賀)
2024「けだるいオードブル」 Artist Cafe Fukuoka (福岡) 2023 「おままごとのストレッチ」 IAF SHOP*(福岡)
2022 「にどあることは、さんどあった。」IAF SHOP*(福岡)
主なグループ展
2026 「地続きな生活」佐賀県佐賀市兵庫町渕にある田んぼ(佐賀)
2024 「ロング・スロー・ディスタンス」 旧枝梅酒造 / Gallery NOMA(佐賀)
2023 「CAF賞2023入選作品展覧会」代官山ヒルサイドフォーラム(東京)
2023「サイトのピープルがプールサイドでショート・ショートを着用していたら、 ポ団地の住人がオムニバスに乗って通り過ぎた。」 NIGOKAN GALLERY(佐賀)
2023「ニュー・ニューウェーブ・フクオカ」 八番館(黄金町エリアマネジメントセンター)(神奈川)
2022 「居場所について」OVERGROUND(福岡)
2022「ツー・バウンスのワンバウンドめ」ツー・バウンス(佐賀)
アーティスト・イン・レジデンス
2025 「中土佐-現代美術プログラム2025」(高知)
2025「重庆 · 瑞器 国际艺术家工作坊」器·Haus 空间 (中国・重慶)
2024 「福島県葛尾村学生AIRプログラム」(福島)
2024「BEPPU STUDIO 01滞在制作プログラム」(大分)
受賞歴
CAF賞2023 優秀賞
やまなしメディア芸術アワード2024-25 入選
制度や常識、決まり事といった「当たり前」の中に生じる隙間を、日常の観察から見出す。日常生 活の中で意図せずそうなってしまった状態や、微細なズレを拾い上げる。日常を日常のまま少しだけずらす方法を制作の軸とし、生活に残る小さな痕跡を手がかりとする。私にとってこの視点は、 二元論の境界線上に漂い、汽水域を彷徨うような感覚である。
生活に残る小さな痕跡は、そこに誰かがいたことを示す。それらを手がかりに、不在の存在、つまり消えていく出来事や状況に残る気配をたどる。ワンルームと公園の砂場を往復するような感覚で 日々生活している。
私は「当たり前」だとされている事象に正面から対立するのではなく、日常を日常として保ったまま、角度をほんの少しだけ変えることで静かな抵抗を試みる。いわば「日常かつ日常’」の状態をつくり、てこの原理のように小さな力でものの見方を少しだけズラしていく。