バングラデシュ・アートの先駆者たち：Britto Arts Trust

2002年、6名のアーティストによって設立されたバングラデシュ、ダッカのオルタナティブスペース
「Britto Arts Trust（ブリット・アーツ・トラスト）」

ベンガル語で「円」や「輪」を意味するこのスペースは、実験的なアートや若手作家を支援するさまざまな活動を通して、アーティスト同士の対話を促し、南アジア地域をはじめ世界のアーティストたちが、互いに批評し交流しあう機会を作りだすことを目指し、活動しています。

今回、福岡アジア美術館の協力を得て、Britto Arts Trustの設立メンバー2名によるトークイベントを開催します。設立メンバーのうちの1人、コビール・アフメッド・マスム・チスティは、現在福岡アジア美術館で開催中の「第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014（FT5）」に招聘され、10月中旬から福岡市に滞在予定です。また同じく創設メンバーであるマハブブ・ラーマンも、埼玉県でのレジデンスのため、同時期に日本に滞在します。

彼らはバングラデシュの美術界に今よりももっと強いヒエラルキーがあり、現代美術が美術とは認識されていなかった90年代に、既存の美術大学の求める美術のあり方、美術界から求められる美術の発表の仕方や、作家としての態度・振舞い方の枠を超えて、若手作家として自分たちの求める美術を追求し、実現させてきた人たちです。また、世界中の数多くのレジデンスに参加し、作家同士のネットワークを作り、その人脈を自分たちのスペースでのレジデンス事業に活用したり、バングラディシュ国内でも様々なワークショップやプロジェクトを開催するなど、現在も勢力的に活動しています。
2人のアーティストとしての活動と、Britto Arts Trust設立の経緯や活動を伺いながら、
バングラデシュ・アートのこれまでと現在、そして今後について、掘り下げて聞いていきたいと思います。ぜひご参加ください。

//////////ゲスト・プロフィール//////////

マハブブ・ラーマン（1969-）
初の国外発表である「第4回アジア美術」展（福岡市美術館、1994）を機に、国内外で活躍。
10以上の海外のレジデンスに参加、
ヴェネチア・ビエンナーレ・バングラデシュ館（2011）など。
photo : Mahbubur Rahman Altering Gesture 2011

コビール･アフメッド･マスム･チスティ（1976-）
FT5出品作家。彫刻を学んだ後、TV制作会社でのアニメーターとしての経験を活かし、映像作品などを発表する。
ヴェネチア・ビエンナーレ・バングラデシュ館（2011 年）など、国内外の展覧会に多数参加。
photo : Kabir Ahmed Masum Chisty Quandary 2011@faam

main visual : the 54th Venezia Biennale (Bangladesh)